はじめに
かわいいセミの幼虫がいました(左の写真参照)ので、羽化の様子を観察いたしました。
※幼虫保護:2001年8月6:00P.M. 頃
(写真2)
(写真3)
(写真4)
(写真5)
体がどんどん外へ出てきます。
体が外へでて、ついに可愛い頭が外へでてきました。
成虫では、糸のような口が針のような管に入っています(この硬い針のような管で木に穴をあけ、管の中の糸のような口で木の汁を吸います)が、ここに示した写真では分かり難いのですが、頭が外へ出たとき糸のような口が、外に出ていました。
途中で管がちぎれてしまったかと心配しましたが、羽化の途中でちゃんと管の中に収まっていき、安心しました。
頭が外へ出ると、次は足を外へ出そうとします。足を外へ出そうがんばっています。そして、ついに足が外へ出ました。それと同時に羽も外へ出ます。羽はまだ縮んだままです。
足が外に出ると写真18のように体を大きくそらし、体をまっすぐに伸ばします。
この状態が約30分ほど続き、体と足が真直ぐ伸び、体を足だけで支えられるだけの強度が出るのを待ちます。
時間が経つと写真19のように体の色が変わってきます。
写真のように体をそらしていると、今にも落ちそうですが、抜け殻に上手くはさまれて、落ちないようになっています。
ただ、自然界では、まれに落ちてしまい、羽化失敗で死んでしまう者もいるようです。
体を伸ばし終わると、今度は体を抜け殻に近づけ、前足で抜け殻をつかみ、体を抜け殻から完全に外へ出します。そして、羽を伸ばし始めます。
縮んでいた羽を根本の方から順に伸ばしていきます。
羽を完全に伸ばし終えると、羽の根元の方を少し反った感じにし、羽がまっすぐな状態で20分ほど羽を乾かすためにそのままジッとしています。この羽を乾かしている間、前羽と後羽はちゃんと離れています。写真27は、その様子を撮影したつもりですが、ここでは、体全体が白いため、わかりにくいですね。
羽を乾かし終えると写真29に示した様に羽をたたみます。ここまで来れば色は白いですが成虫の姿そのものです。後は、朝になるまでこのまま休息を取ります。その間に成虫の黒い色へと変色していきます。
写真30は羽の付け根の辺りがやや茶色っぽく変色したところです。さらに時間が経つと写真31のように羽全体が茶色くなります。また、頭・胸の辺りも色が濃くなってきます。
写真32は、カメラを接近させすぎてぼやけていますが、さらに時間が経ってから撮影した写真です。だいぶ体全体が茶色くなっています。このセミは抜け殻から離れて少し歩き回っていました。もちろん飛んだりはしていません。もし、手で触れたりすると飛ぼうとするのかもしれませんので安全のため変に刺激しないように静かに写真撮影と観察だけさせていただきました。
写真33は、朝起きてから撮影した羽化したセミです。色・形ともに完全にアブラゼミしています。
どのセミもそうですが、不思議と羽化観察したセミは写真にあるようにやや懐いた感じになります(そのうちとびますが)。
写真35はお腹の様子を撮影させていただきました。かなり嫌がっていました。あまりこのような持ち方をしてばかりいますと昆虫たちに嫌われますから注意してください。お腹はまだ色が完全ではありません。誤解がないように書いておきますが、写真35で私は軽く持っていますので・・・、また、写真とった後すぐに開放しています。
写真36は、羽化した後のセミの抜け殻です。これは当たり前ですが、その辺の木にある抜け殻と変わりません。どのセミもみんなこのように羽化しているのです。
今回の失敗談
写真19と写真20の間に本来、セミが抜け殻(まだ少し入っていますが)につかまって体全体を外へ出すシーンの写真をとるべきだったのですが、デジカメの画質を当初最高にしていたため、メモリ容量がなくなってしまい、パソコンへ今まで撮影した写真のデータを移して容量を増やしている間に撮り損ねてしまいました。データ転送をシリアルポートで(今だにWin95をつかっているのでUSBが使えないため)行ったため、かなり時間がかかってしまいました。
※上記”今回の失敗談”についての注記(2021年11月現在)
上記”今回の失敗談”に記述の私のパソコン環境はこの記事を記した2001年当時の環境です。当時はWindows95パソコンだったのでUSBが使えず、シリアル転送式のオリンパスCAMEDIA D-460ZOOM(念願の初デジカメ)を使っていたのですが、シリアル転送のため、130万画素のデジカメ画像なのにパソコンへの写真転送が非常に遅かった・・・。あのデジカメのメモリーカードはスマートメディアだったなぁ・・・懐かしい・・・。